画廊の夜会と音楽
今回初めて東京アート&ライブシティプロジェクトの試みとして、美術と音楽のコラボレーションの一環で、銀座ギャラリーズによるテーマを設けての画廊を巡るツアー「画廊の夜会」において、フルートや尺八、お囃子の画廊ミニコンサートを開催しました。
私ども靖山画廊ではお囃子の演奏をしていただき、お客様に大変喜ばれる結果となりました。展覧会はちょうど日本画を紹介致しており、また画廊が歌舞伎座の真向かいであるという事もあって邦楽、長唄の囃子はピッタリでした。
望月美都輔さん、藤舎清穂さん、望月太左乃さん、三名の女性演奏者着物姿も美しく、鼓や笛の響きに、お客様はもちろんのこと道行く人たちも足を止めて入ってきてくださり、今回の趣旨に興味をもっていただくきっかけになりました。
美術を目的に画廊に訪れた方が、音楽にも触れ、芸術を全身で感じること、また普段は別々の場で活動している芸術家が、同じ空間や時間を共有することで生まれる力は、多くの人々の心を揺さぶるものです。このような取り組みを信じて続けていくことが大切に思います。
そして若いアーティストが互いに刺激しあう場でもあります。偶然にも鼓の演奏者の望月太左乃さんは、このときの展覧会作家である安原成美さんの芸大での後輩だったこともあり、お互い質問をしあい盛り上がる様子に、お客様も大変喜んで頂けました。
ほかの画廊でも竹山愛さんによるフルートソロ、竹村晧盟さんによる尺八演奏、それぞれが展示作品に対応した曲目を選び、まさに実演芸術とのコラボレーションでアートとライブがつながり、よりアートを身近にできるチャンスをいただけたように感じます。まさに画廊の夜会らしいオープニングとなりました。
山田聖子(靖山画廊)